【沖縄切手】全17種の買取価格いくら?鑑定価値&売買相場《まとめ》
かつて日本国内で使われていた切手の中でも、特殊なのが沖縄切手です。沖縄切手というと、シンプルに沖縄で発行された切手のことだと思う人も多いでしょう。ですが実際には少し意味合いが異なっているのです。
沖縄切手はアメリカの統治時代に発行されていた切手を指します。沖縄の文化が反映されたデザインであり、希少性も高いことからコレクター間でも人気が高い切手の1つです。
ここでは沖縄切手の買取価格について見ていきます。
【全17種類】沖縄切手(琉球切手)の買取価格・鑑定相場《価値一覧表》
では沖縄切手の買取価格について見ていきましょう。沖縄切手には全部で17の種類があります。それぞれに買取価格が違っていますので、1つずつ確認をしていきましょう。中には高値をつけるものもあります。
①【琉球大学開校記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1951 | |
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価値 | C | |
相場 | 1000円~2000円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
沖縄切手の中でも高値をつけているのが、琉球大学開校記念切手でしょう。大城皓也氏がデザイナーを務めていて、琉球大学の開校を記念して発行されました。首里城跡に開校された大学であることから、本館の後ろに首里城のシルエットが採用されています。
- 通常品は1000円~2000円
- 美品は2000円~3500円
- シートだと6万円~20万円
1枚でも買取価格が美品だと2000円以上しますので、複数枚見つかったとすればお宝発見と言っても良いでしょう。
②【琉球政府創立記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1952年 | |
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価値 | C | |
相場 | 2000円~4000円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1952年発行の沖縄切手が琉球政府創立記念切手です。アメリカの統治下に置かれていた沖縄が、琉球政府になったことを記念して発行されました。平和の象徴である鳩が中央に描かれ、双葉と琉球列島が背後にデザインされています。
- 通常品で2000円~4000円程度
- 美品でも4000円~7000円程度
- シートだと20万円~80万円程度
沖縄切手の中で最も高い買取価格となっています。1枚あたりでも美品なら4000円以上となるでしょう。
③【第3回新聞週間記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1953年 | |
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価値 | D | |
相場 | 200円~500円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第3回新聞週間記念切手は沖縄切手の中で、知名度が一番高いものでしょう。切手コレクターの間でも人気が高く、買取価格もそれなりになっています。デザインは琉球新聞の創刊に関わった太田朝敷氏です。同氏は首里市の市長にも選任された人物になります。
- 通常品の買取額は200円~500円
- 美品だと500円~700円程度
- シートは1万3000円~4万5000円
買取額としても高値をつけています。
④【愛林週間記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1956年 | |
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価値 | D | |
相場 | 150円~300円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1956年発行の沖縄切手が愛林週間記念切手です。第二次大戦時、国内では唯一の本土決戦の舞台となったのが沖縄です。この戦争のために多くの緑地が失われたことから、戦後には緑地回復のための施策が取られました。その1つが愛林週間です。
- 通常品の買取価格は150円~300円
- 美品だと300円~600円程度
- シートだと1万円~3万5000円前後
買取価格としても沖縄切手としては平均的なものでしょう。
⑤【第4回新聞週間記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1957年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 200円~500円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1957年発行の沖縄切手が第4回新聞週間記念切手です。デザインに採用されているのは当間嗣合氏の肖像とペンになります。当間氏は琉球新報社の記者を務めていた人物で、後に沖縄県出身の衆議院議員に選出された人物です。
- 通常品で200円~500円
- 美品は500円~800円
- シートの買取価格は1万3000円~5万円程度
高値で取引される切手だけに、もし手元にあるのなら専門家に鑑定してもらった方がいいでしょう。
⑥【天女航空切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1951年~54年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 50円~300円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1951年~54年にかけて発行された沖縄切手が天女航空切手です。額面としては13円~50円までの4種類あります。切手と言えば若干縦長のイメージがありますが、天女航空切手は横長になっているのが大きな特徴です。
- 13円通常品は50円~80円 美品は100円~130円 シートは2500円~9000円
- 18円だと通常品60円~100円 美品で100円~200円 シートで4000円~1万3000円
- 30円通常品は50円~200円 美品は200円~250円 シートで5000円~1万6000円
- 40円通常品だと100円~200円 美品は200円~400円 シートは7000円~2万4000円
- 50円通常品なら150円~300円 美品は300円~500円 シートで9000円~3万円
発行枚数の少ない50円切手の買取価格が高くなっています。
⑦【米ドル改訂加刷】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1960年 | |
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価値 | D | |
相場 | 100円~200円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 |
1960年に発行された沖縄切手が米ドル改定加刷になります。航空郵便料金の切手が不足したことから、急遽普通切手に加刷をして発行したものです。雑な作りで加刷の字体や大きさにもバラツキもあります。
- 額面25セント、35セントの通常品は100円~200円
- 同額面の美品だと200円~400円
- 同額面シートは1万3000円~4万5000円
9セント~35セントまでの5種類が発行されていて、額面が低い方が買取額も低くなっています。
⑧【第2次普通切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1950年 | |
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価値 | C | |
相場 | 400円~1000円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1950年から発行された沖縄切手が第2次普通切手です。額面としては50銭~5円までの6種類が発行されています。第1次とは図柄も違っているので、見分けがつけやすいでしょう。第2次普通切手では女性の肖像画が描かれています。
- 3円通常品の買取価格は400円~1000円
- 美品で1000円~1500円
- シートだと5万円~18万円以上
買取額の面でいうと2円から上の額面だと比較的に高くなっています。1円や50銭はさほど希少価値がありません。
⑨【植林記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1951年 | |
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価値 | C | |
相場 | 1000円~1500円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1951年に発行された沖縄切手が植林記念切手です。図柄として採用されているのは琉球松になります。また蔡温という文字が入っていますが、これは琉球の五偉人にも数えられる人物の名前です。このことから蔡温記念とも呼ばれます。
- 通常品は1000円~1500円
- 1500円~3000円
- シートは7万円~25万円
単品でも買取価格に期待できる逸品です。ただし状態や経審の有無などでも、大きく価値が左右されます。
⑩【ペルリ来琉100年記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1953年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 200円~400円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1953年発行の沖縄切手がペルリ来琉100年記念切手です。ペルリというのはマシュー・ペリーを指します。いわゆる黒船で来航した人物で、琉球の執政との会見の様子がデザインされているものです。額面は3円と6円の2つがあります。
- 3円通常品だと200円~400円程度 6円は40円~100円程度
- 3円美品は400円~1000円程度 6円美品だと100円~200円程度
- 3円シートは1万5000円~5万円程度 6円は3000円~1万円程度
額面は2つありますが、3円の方が買取価格が高くなっています。
⑪【甘藷(かんしょ)伝来350年記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1955年 | |
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価値 | D | |
相場 | 200円~300円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1955年の沖縄切手が甘藷伝来350年記念切手です。甘藷とはサツマイモを指します。デザインとしては野国総管宮の社殿とサツマイモです。野国総管とは琉球王国時代の役職名の1つで、サツマイモの栽培を始めたと言われています。
- 通常品の買取価格は200円~300円程度
- 美品で300円~700円
- シートで1万円~3万5000円
美品であればそれなりの価格で取引されています。複数枚あれば、纏まった額になるでしょう。
⑫【自動式電話開通記念切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1956年 | |
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価値 | D | |
相場 | 300円~500円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
1956年発行の沖縄切手が自動式電話開通記念切手になります。図柄に採用されているのは電話機とダイヤルです。40代以降の人ですと懐かしく感じるのではないでしょうか。
元々電話は交換手が相手に接続する手動式だったのが、現在の電話のように切り変わったことを記念した切手です。
- 通常品だと300円~500円程度
- 美品の買取価格は500円~1000円程度
- シートだと1万6000円~5万5000円前後
沖縄切手の中では比較的に高値で買取されているものの1つです。
⑬【はと航空切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1950年 | |
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価値 | C | |
相場 | 200円~3000円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1950年に発行された沖縄切手がはと航空切手です。デザインとしては空を飛ぶ鳩と、航空図の沖縄諸島が描かれています。額面が8円、12円、16円の3種類が発行されていて、それぞれに買取価格が異なっているのが特徴です。
- 通常品8円は1500円~3000円 美品で3000円~4500円 シートで15万円~50万
- 通常品12円だと800円~2000円 美品は2000円~3000円 シートで11万円~35万円
- 16円通常品は200円~500円 美品だと500円~1000円 シートで3万円~12万円
買取額としては8円が最も高く、12円、16円となります。
⑭【改訂加刷切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1952年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 500円~1000円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1952年発行の沖縄切手は改定加刷切手になります。これは沖縄で発行された第二次普通切手50銭のものに、加刷を施したものです。10円と100円の2つの額面があり、さらに1版~3版まで発行されています。ここでは最も額面が高い3版を紹介しておきましょう。
- 額面10円3版通常品は500円~1000円 美品で1000円~2000円 シートで8万円~25万円
- 額面100円の通常品で3万円~7万円 美品は7万円~10万円 シートだと400万円~1300万円以上
額面100円のものは希少価値が高く、シートだと非常に高額の買取になります。
⑮【第1次普通切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1948年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 6000円~1万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1948年に発行された沖縄切手が第1次普通切手です。額面は5銭~1円までの7種類が発行されました。初版は灰白紙で製造されていて、再販されたものは白紙での製造となります。どちらかと言えば灰白紙の方が買取額が高めです。
- 1円灰白紙の通常品は6000円~1万円
- 美品だと1万円~2万円前後
- シートは70万円~250万円以上
最も高値なのが灰白紙の1円切手です。他にも40銭灰白紙などが非常に高値をつけていると言えるでしょう。
⑯【文化財(建造物)シリーズ切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1952年~53年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 300円~600円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1952年と53年にかけて発行された沖縄切手が文化財シリーズになります。沖縄の歴史的な建造物がデザインされていて、額面としては1円~100円まで8種類があります。6円~100円までが比較的に買取額が高くなっているのが特徴です。
- 100円切手通常品なら300円~600円程度
- 美品で600円~1000円程度
- シートだと3万円~10万円程度
3円以下のものでも美品で10円~20円程度の価値があります。
⑰【琉球速達切手】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1950年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 400円~1000円程度 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
1950年には沖縄切手から琉球速達が発行されました。速達切手になっていて、額面は5円の1種類のみです。タツノオトシゴと沖縄の地図がデザインされていて、沖縄らしい図柄だと言えるでしょう。
- 通常品の買取価格は400円~1000円程度
- 美品だと1000円~1500円
- シートだと5万円~20万円以上
使用済みの切手だと買取価格が少し下がります。ただし初日カバーなら買取額が2倍になることもあるでしょう。
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沖縄切手(琉球切手)とは~製造発行の背景や価値について~
沖縄切手について、どういうものかも解説しておきます。沖縄切手は戦後アメリカ軍の統治下であった時代に、使われていた切手のことです。別名を琉球切手と言いますが、別の意味で使うこともあるので正確性を期したい時は沖縄切手と呼ぶ方が良いでしょう。
戦後の沖縄県は奄美諸島なども加えて、4つの地区として分割統治されていました。初期には独自の切手を使っていたのですが、1948年から独自のデザインによる切手が使えることになったのです。これが沖縄切手です。
最終的に沖縄返還後の1972年には効力が停止されました。つまり現行では切手として使うことができません。切手を趣味にする人たちの間では、デッドカントリーと呼ばれるものに区分されています。
まとめ
沖縄切手の買取価格についてのまとめでした。沖縄切手は米軍の統治下で発行された切手のことです。全部で18種類が発行されているのですが、いずれもそれなりのプレミア価格がついているのが特徴でしょう。
日本国内の切手では見られないような独自性の高いデザインが、特にコレクターの間では人気となっています。また希少性も高いことから、買取価格も高値をつけていると言っても良いでしょう。