第三次昭和切手の買取価値はいくら?鑑定価格&売買相場まとめ《全11種類》
昭和初期に発行された切手には第一次~第三次の3種類があります。その中でも一番最後に発行された第三次昭和切手を見ていきましょう。
昭和20年から21年にかけて発行されていた切手になります。ちょうど終戦を迎える頃に発行されたもので、歴史的に見ると貴重なものも少なくありません。
そうした第三次昭和切手の買取価格などを、詳しく調べてみました。全部で11種類ありますので、1つずつ検証していきましょう。
【全11種類】第三次昭和切手の買取価格・鑑定価値《販売相場一覧》
第三次昭和切手は額面3銭~10円までの10種類があります。さらに同額面の印刷色違いがあるので、全部で11種類になるのです。1つずつ買取額が違っていますので、それぞれの買取相場に加えて、簡単な解説もしていきましょう。
①【第三次昭和切手3銭(楯と桜)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | バラ1枚の買取価格は5円~30円程度 使用済みも5円~30円程度 |
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額面・種類 | 3銭・楯と桜 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手で最小の額面が3銭です。デザインとしては楯と桜が採用されています。戦後になってGHQが日本の管理をすることになった時、使用が止められた追放切手の1枚です。
- バラ1枚の買取価格は5円~30円程度
- 使用済みも5円~30円程度
追放切手という側面があるものの、希少価値としては高くありません。そのため買取額にも反映されています。未使用品でも使用済みでも買取価格の相場は、さほど変わりません。
②【第三次昭和切手5銭(飛燕機・緑)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | 未使用品は150円~500円程度 使用済みだと100円~250円前後 |
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額面・種類 | 5銭・飛燕機・緑 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面5銭には青と緑の2種類がありますが、先に緑の方から見ていきましょう。図柄に採用されているのは、戦闘機である飛燕です。このデザインは公募で選ばれたものになります。
- 未使用品の買取価格は150円~500円程度
- 使用済みだと100円~250円前後
額面が同じ5銭のものでも印刷色が緑色の方が、買取額は低めになっています。それでも3銭切手よりは高値がついているのが特徴でしょう。
③【第三次昭和切手5銭(飛燕機・青)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | 未使用品は300円~1000円程度 使用済みは100円~300円程度 |
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額面・種類 | 5銭・飛燕機・青 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の5銭には、緑ともう一つ青色があります。図案は同じく戦闘機の飛燕が採用されていて、緑とはまったく同じデザインです。
- 未使用品の買取価格は300円~1000円程度
- 使用済みの買取価格は100円~300円程度
先程もお伝えしましたが第三次昭和切手の5銭切手は、印刷色が青色の方が高値をつけています。もし美品の青色があるのなら、バラ1枚でも1000円程度の買取額が期待できるでしょう。
④【第三次昭和切手10銭(勅額)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | 買取価格は500円~2000円程度 使用済みは保存状態による |
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額面・種類 | 10銭・勅額・灰色・青色 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面10銭に採用されているデザインは勅額になります。切手の中央に敵国降伏と書かれているもので、第二次昭和切手にも同じデザインのものがあります。ただし第三次昭和切手の方の印刷色は水色なので、判別は難しくありません。
- 買取価格は500円~2000円程度
- 使用済みは保存状態による
第三次昭和切手の中で高額の買取価格になっています。これは発行前に終戦を迎えたこともあり、未発行となっているためです。ただ一部が切手収集家に流通したため現存しています。
⑤【第三次昭和切手10銭(富士と桜)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | 白紙の買取額で5円~20円程度 灰白紙だと15円~50円程度 使用済み白紙は1円~10円 使用済みの灰白紙が10円~30円 |
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額面・種類 | 10銭・富士と桜・白紙・灰白紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面10銭には、富士と桜がデザインとして採用されました。発行されている切手の用紙には、白紙と灰白紙の2種類があります。この用紙の違いで若干ですが買取額も違っているのが特徴です。
- 白紙の買取額で5円~20円程度
- 灰白紙だと15円~50円程度
- 使用済み白紙は1円~10円
- 使用済みの灰白紙が10円~30円
灰白紙の方が若干ですが、買取額が高くなっています。ただ見極めが難しいので専門家に鑑定を受けた方がいいでしょう。
⑥【第三次昭和切手20銭(富士と桜)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1946年 | |
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価値 | D | |
相場 | 白紙の買取価格は10円~30円 灰白紙は20円~100円 使用済み白紙は5円~15円 使用済み灰白紙は10円~40円 |
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額面・種類 | 20銭・富士と桜・白紙・灰白紙 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の20銭のデザインも富士と桜になります。前述した10銭切手と同じデザインだと考えてください。このデザインは第二次昭和切手にもあるのですが、目打ちなしが第三次昭和切手です。
- 白紙の買取価格は10円~30円程度
- 灰白紙は20円~100円程度
- 使用済み白紙は5円~15円程度
- 使用済み灰白紙は10円~40円程度
20銭切手も白紙と灰白紙の2種類があり、こちらも灰白紙の方が高くなります。
⑦【第三次昭和切手30銭(厳島神社)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1946年 | |
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価値 | D | |
相場 | 未使用品は50円~150円程度 使用済みだと10円~50円程度 |
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額面・種類 | 30銭・厳島神社 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面30銭には、厳島神社が採用されました。広島県の廿日市にある神社で、海に立つ大鳥居が有名な神社になります。安芸の宮島としても知られていて、日本三景の1つです。
- 未使用品の買取価格は50円~150円程度
- 使用済みだと10円~50円程度
同じデザインとしては第二次昭和切手にもありますが、目打ちのないものが第三次昭和切手になります。目打ちがあると第二次昭和切手か、別のシリーズになるので注意してください。
⑧【第三次昭和切手50銭(炭鉱夫)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1946年 | |
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価値 | D | |
相場 | 白紙の未使用品だと5円~30円 灰白紙の未使用品は20円~100円 白紙の使用済みは5円~15円 灰白紙の使用済みで10円~30円 |
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額面・種類 | 50銭・炭鉱夫 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の50銭に描かれているデザインは炭鉱夫になります。この50銭切手も用紙が白紙と灰白紙の2種類があり、買取額としては灰白紙の方が高めになっているのが特徴です。
- 白紙の未使用品だと5円~30円程度
- 灰白紙の未使用品は20円~100円程度
- 白紙の使用済みは5円~15円程度
- 灰白紙の使用済みで10円~30円程度
買取額を見ても希少価値がさほど高くないのがわかります。
⑨【第三次昭和切手1円(靖国神社)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1946年 | |
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価値 | D | |
相場 | 未使用品バラ1枚は10円~100円 使用済みだと10円~100円程度 |
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額面・種類 | 1円・靖国神社 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面1円は、靖国神社の鳥居が描かれています。公募で採用されたデザインになるのですが、GHQからの指導が入ったことによって発行からわずか1ヶ月で発売が終了しています。
- 未使用品バラ1枚の買取額は10円~100円程度
- 使用済みだと10円~100円程度
いわゆる追放切手の1つではあるのですが、希少価値としてはあまり高くありません。未使用品でも使用済みでもほぼ同じ買取額です。
⑩【第三次昭和切手5円(藤原鎌足)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | D | |
相場 | 未使用品は100円~500円程度 使用済みだと上限70円前後 |
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額面・種類 | 5円・藤原鎌足 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の額面5円には藤原鎌足がデザインされています。発行されてから直ぐにGHQからの指導が入った追放切手の1つです。僅かな期間しか発行されなかったことで、希少価値が高くなっています。
- 未使用品の買取額は100円~500円程度
- 使用済みだと上限70円前後
第一次昭和切手にも同じデザインがありますが、そちらは目打ちがあります。目打ちのないものが、第三次昭和切手です。
⑪【第三次昭和切手10円(梅花模様)】鑑定価値と買取価格相場
時代 | 1945年 | |
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価値 | C | |
相場 | 買取価格は500円~2000円程度 使用済みだと100円程度が上限 |
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額面・種類 | 10円・梅花模様 | |
画像出典 | 日本郵便趣味協会 |
第三次昭和切手の最高額面が10円です。デザインには梅花模様が採用されました。第一次昭和切手にも同じデザインの切手がありますが、こちらには目打ちが入っています。
- 買取価格としては500円~2000円程度
- 使用済みだと100円程度が上限
第三次昭和切手の中でも買取額が高い部類に入ります。ただし使用済みだと極端に買取額が下がってしまうので、その点は注意してください。
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第三次昭和切手とは~デザインが仇となったのか~
第三次昭和切手は終戦を迎える直前から直後にかけて発行された普通切手です。物資の不足からすべての切手で目打ちがありません。また裏糊のないというのが1つの特徴になっています。
デザイン的には国民の戦意を高揚させるようなものが多く採用されていましたが、終戦をきっかけにしてGHQから指導が入るきっかけにもなりました。そのため以下のものは追放切手となっています。
- 楯と桜
- 飛燕
- 勅額
- 厳島神社
- 藤原鎌足
こうしたデザインの禁止を受けたこともあり、戦後から発行されることになる新昭和切手では平和なものが多く採用されるようになりました。
短い期間しか発行されなかったものですが、まだ現存する枚数も多くさほど希少価値は高くありません。
まとめ
第三次昭和切手についての情報でした。第三次昭和切手は1945年~46年の間にかけて発行されていた普通切手です。
終戦を迎えるタイミングで発行されていたこともあり、終戦後には発行されなくなった切手もあります。買取額としては全体期にさほど高くありません。
最も高値をつけるものでも最高で2000円程度です。発行期間が僅かしかないものや未発行のものもありますが、希少価値としては高くないので買取額もそれなりです。