【偽物がプレミア!】菊切手の買取価格は?鑑定価値&売買相場まとめ
国内のプレミア切手としては菊切手も有名でしょう。菊切手は明治時代の終わりに発行されていたものです。中央に大きく菊がデザインされた図案であることから、菊切手と呼ばれています。
この菊切手ですが、額面は全部で15種類も発行されているのが特徴です。当時は日本画戦争に勝利を収めていた時期でもあります。
そんな時代に発行された菊切手の買取価格を確認していきましょう。ただ1つずつではなく、平均的な相場で紹介してみます。
普通切手『菊切手』の買取価格・鑑定価値《売買相場一覧》
時代 | 1899年~1908年 | |
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価値 | D | |
相場 | バラ1枚あたり1000円~1万5000円程度 25銭、50銭、1円は5000円~1万5000円 |
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額面・種類 | 5厘~1円までの15種類 | |
画像出典 | 福ちゃん |
では菊切手の買取価格を確認していきましょう。
- 平均的な相場としてはバラ1枚あたり1000円~1万5000円程度
- 特に25銭、50銭、1円の3つの額面は買取価格が高く、5000円~1万5000円程度
基本的に菊切手の買取価格は、目をみはるほどのプレミアではありません。それでも一般的なプレミア切手と比較すれば、値段がついている方だと言えます。
状態が良ければ、1万5000円から2万円程度にまで買取額がアップするでしょう。この菊切手の面白い部分としては正規品よりも、偽造品の方が高く評価されるケースがあるのです。
もちろんすべてのケースが該当する訳ではありません。ですが偽物に希少価値がつく、珍しいパターンで有名なのです。
偽物がプレミア!?菊切手の偽造に関する実態
一般的に偽物の切手には価値がつきません。もちろん偽物と知らずに購入してしまい、それを売ろうとした時に発覚するケースもあるでしょう。ですが基本的には買取価格がつかないものなのです。
ですが菊切手はその例外に当たります。ではどうして菊切手は、偽物の価値が上がったのでしょうか。ここでは菊切手と偽造菊切手の関係性などについて、詳しく調べてみましたので確認していきます。
菊切手偽造事件とは
では最初に菊切手偽造事件を確認しておきます。この事件は1913年に起こったものです。横浜にある郵便局の局員が持ち込まれた額面10銭の菊切手を見て、これが偽造されたものであると見抜きました。
このことで菊切手には偽造品が出回っていると明るみになったのですが、主犯だけではなく関与した写真師や、印刷業者らが軒並み逮捕されています。偽造されたのは当時で1万円分になる10銭と20銭の切手です。
現在の価値にすれば3000万円程度になり、かなり世間を騒がせました。ですが郵便局側も偽造切手が発行されることは予想されていたので、早期に対応ができたと言えるでしょう。
この事件以後、切手にも偽造防止策が施されるようになりました。
なぜ偽造菊切手は本物よりも買取価値が高いのか
次になぜ偽造菊切手は買取価格がつくのでしょうか。その理由としては以下の2つがあります。
- 菊切手偽造事件が起こったことで知名度が高い
- 早期に事件が解決したおかげで現存数が少ないため希少価値が高い
前段でお伝えした菊切手偽造事件が起こったことにより、偽物の知名度が一気に高くなりました。これによって偽物の切手があると世間の人に認知されたのです。
その結果として、偽造切手にも価値が出るようになりました。また菊切手事件は早期に解決されたこともあり、現存する物が非常に少なくなっています。
これは一般的な切手にも言えることで、現存枚数が少ないほど希少価値が高くなるのです。この2つの理由をもって、偽造菊切手の買取が高くなっています。
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菊切手とは~9年間に渡って発行された普通切手~
菊切手とはどんな切手なのかについても確認しましょう。1899年に発行されたのが菊切手です。切手の中央には菊の御紋章が大きく入っているのが特徴です。
1908年まで発行されていたもので、額面だけでも15種類あります。
- 5厘
- 1銭
- 1銭半
- 2銭
- 3銭
- 4銭
- 5銭
- 6銭
- 8銭
- 10銭
- 15銭
- 20銭
- 25銭
- 50銭
- 1円
このようにかなり小刻みに額面が発行されています。当時は日清戦争や日露戦争などで帝国軍が勝利を重ねていました。国民も勝利に沸いていたことから、国家の強さをイメージされるようなデザインが採用されたそうです。
大正2年に起こった偽造事件によって、買取価格は希少性の高さから偽造切手の方が高くなるという珍しい特徴もあります。ただこの事件をきっかけに切手の偽造防止策がとられるなど、歴史を変えた1枚とも言えるでしょう。
未熟な印刷技術から同じ菊切手でも違いがある
菊切手には額面以外でも微妙な違いがあります。当時の日本はまだまだ切手の印刷技術が未熟でした。そのため同じ額面の菊切手でも発行年によって、以下のような違いがあったのです。
- 用紙の白さの違い
- インクの色
当時の切手は同じ種類でもインクの色に濃淡が出ています。これは複数の色を調合していたことに理由があるのです。
切手を発行する度に、インクの調合は人の手によって行われていました。その結果としてわずかに色合いが異なるのです。
ただコレクターからすれば、この色合の違いを楽しみたいという人もいます。そのため熱心な収集家は、菊切手を発行年ごとに集めているそうです。玄人になると色の濃淡を見ただけで、発行年を当てられるほどです。
まとめ
菊切手についてのまとめでした。菊切手は1899年から1908年の間で発行されていた普通切手になります。額面が全部で15種類も発行されていて、さらに発行年ごとに色合いの違いがあるため種類は膨大なものがあるのです。
ただ総じて買取価格としては1000円~1万5000円程度でしょう。菊切手の特徴としては、偽造品の方がプレミアがついている点です。
通常は偽造品にプレミアはつかないため、非常に珍しい切手だと言えるでしょう。